
<モリのいる場所>という映画、不思議な映画でした。
山崎努、樹木希林、加瀬亮、とか色々出てたけど…
どうやら「熊谷守一」という画家の晩年の一日を描いた映画のようでしたが…hollyは熊谷守一を知らなかったので「なんのこっちゃい」という感じで見てました。
だけど、だんだんその世界に引き込まれていくような感じ

この鬱蒼とした森のような庭の木々の間からちょこっとのぞいている守一画伯の顔、わかりますか?
彼は30年くらい、この庭から外へ出ないで暮らしていたらしいのです。毎日庭の中を歩き、草や木や花や昆虫をつぶさに見て絵を描く暮らしをしていて、その様子が描かれているのです。
映画の導入部がゆったりとしているのでじれったい感じでしたが、毎日いろんな「お客様」がやってきてなかなか面白い展開になっていきます。
庭の奥に「池」があるのですが、この「池」は最初は水たまり程度のものでメダカを飼ううちに干上がらないようにどんどん掘って深くしていった「池」なので、庭の一部が深い穴になっている感じなのです。
画伯はこの庭をゆっくり歩いて、庭で昼寝をして、夜になると絵を描く生活。
庭に横たわって蟻を観察し「蟻は左の2番目の足から歩き出す」な~んてことを言ったり、沢山人が来るようになって困るからと文化勲章の授与を断ったり、周囲の人たちとの暮らしを楽しんでいる仙人のような画伯。
hollyがう~~んと唸ったのは最後の場面、画伯の家に通っているカメラマンがふと思いついて隣に立ったマンションの上から画伯の家を撮影するのですが、なんとあれほど鬱蒼とした庭なのに、実は住宅街の一角にあり、hollyが思っていたほど大きな庭ではなかったこと。思わず「へえ~」ちょっとした林か森のように見えていたのに…普通だあ、池なんてどこにあるのよ~、そして何よりすぐ隣も周りも普通の家が建ち並んでいる。
なんだか映画監督にしてやられたって感じでした。
隅々まで楽しもうと今、2回目見てます。
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