《ノルウェイの森》っていうと何を思い浮かべますか?
ビートルズ? それとも村上春樹?
hollyの世代だと両方同時に思い浮かべるかな。
hollyはビートルズの
ナンバーの中では、
フールオンザヒル、サムシング、ノーバジアンウッドの3曲がダントツで好きです。
今回はビートルズじゃなくて、村上春樹の小説のお話。
村上春樹は新作をだすごとに話題になるので、しゃくにさわるからhollyはすぐには本を買わない…このあたり、へそ曲がりだよね
で、《ノルウェイの森》は自分では買ったおぼえがないのに本棚に並んでたので、ちょいと読んでみた。
2~3ページ読んで、思い出したけど、これ何年か前に読みかけてたわ。
だけど出だしが回想でつまんなかったので10ページくらいで読むのをやめてたんだった。
そこで今回は、つまんない部分をすっとばして、なんと!下巻から読み出してみたのよ。そしたらけっこう読み進められたので、ずるずると読んで、下巻の半分まできたところでやっと上巻から読む気になった。
回想部分は主人公が38歳になっていてルフトハンザ機内でノーバジアンウッドを聴いて18年前を思い出すというもので、こんなのがちょくちょく出てきて感慨にふけられたらつまんないなあ~と思ってたら、冒頭の部分以外はでてこなかった。
物語の導入部分だけで、あとは主人公が19歳~20歳の頃の話で最後の〆にもでてこなかったので、そこんとこは褒めてあげよう。
この小説、主人公ワタナベの高校時代、友人のキズキなる人物が突然自殺してしまうという設定があって、そのキズキの彼女だった直子とワタナベを中心としたお話で、そこそこ面白かった。
ただ、キズキがなぜ自殺したのか…なんの予兆もなしに。
17歳は傷つきやすいお年頃、だけではなぁ…そつがないところもあるのに、友人と呼べるのはワタナベだけだったような記述はあるんだけど、あまりにも唐突。
読み終わったあとも、そこが腑に落ちないけど、なぜ自殺したかという理由なんか、この小説においてはたいした問題じゃないのかな?
ちょっとあらすじ書いちゃいます。
直子もワタナベも東京の大学へ進学して1年ぶりに再会し、親しくなっていくんだけど、キズキについての会話はない。
あるときワタナベとセックスするが、その後、直子は姿を消し連絡がとれなくなってしまう。
直子は心を病んで神戸の実家に帰り、精神療養施設に入所して、そこから手紙がきてワタナベは京都の療養所まで逢いに行く。
その施設は病院ではなく、病院で治療を受けた後に社会復帰するまで過すような場所、一般社会の中では刺激が強くて精神が不安定になってしまう人たちのための療養所なので、わりあい自由に過している。
直子と同室のレイコさんは40歳くらいの人でもう8年も療養施設にいる。
もともとピアニストを目指していたが、突然指が動かなくなり諦めざるを得なくなり自殺未遂、その後も大きく傷つく事件があり、療養施設でピアノを教えたり、ギターを教えたりして過している。
レイコさんだけは、傷ついて世間から逃れている事情がワタナベくんに話すことで読み手にもわかるようになっている。
ワタナベは直子が療養施設に入っている間に、同じ学部のみどりという女の子の親しくなる。遠慮なしの不思議な子だけど、入院中の父親の介護をしていたり、この物語の中では一番現実味のある登場人物。
ワタナベは直子が好きで心にかかりながらも、みどりも好きになってしまう。
その他もろもろありまして(あらすじはネットで見ればわかるよ)結局、直子は自死してしまう。
ワタナベは呆然として長い放浪の旅に出る。寝袋一つ持って、金がなくなれば肉体労働をそて稼ぎ、酒を飲んで眠る…みたいな旅。そういう旅をして心の傷が癒されるのかどうか私には解らない。ただ今までと変わらない普通の生活はできないような気はするけど。
痩せこけてやっと帰ってきたワタナベのもとにレイコさんから療養施設をでて旭川でギターを教える仕事を始めるという手紙がくる。
ワタナベの部屋でスキヤキを食べ、直子の葬式代わりに思いつく限りの曲をギターで奏でるレイコさん。最後に直子の好きだったノーバジアンウッドを弾く。そしてワタナベとレイコさんはセックスをする。
セックスってお互いの温かさを確かめ合い、生きていることを確かめ合うという意味で癒しになるのかな。
レイコさんは現実の社会へ旅立ち、ワタナベはみどりと現実を生きようとする。
青春の喪失と再生を描いた作品…ひとことで言うとそういうことなのです。
hollyはレイコさんがとっても好きになっちゃった。
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