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2008/07/17

夏に読む本

☆流れる星は生きている☆

著者…藤原てい

作家の新田次郎氏の奥様です。

新田氏が気象庁勤務で赴任された満州で終戦を迎え、3人の幼い子どもをかかえて内地へ引き揚げてこられるまでの物語です。

ご主人の新田氏は応召され、乳飲み子を背負い、2人の子の手を引いて、トラックの荷台に乗ったり、貨物列車の屋根もない貨車に詰め込まれたり、歩いて山越えをしたりと、苦労の連続。

あの時代、満州で終戦を迎えた人たちのほとんどが、同じような体験をしたのだと思うと、胸が詰まる思いです。

残留孤児の報道があった時に、「自分の子を手放すなんて」と非難めいた考えを持ったことを、後悔しました。

極限状態におかれた若い母親たちが、せめて子どもだけでも生きて欲しいとの思いでとった行動を非難することなどできません。

引き揚げの人々の中での人間関係も描かれていて、こういう状況の時にこそ、人間の本質、個人個人のもつ資質が現れるし、問われるのだと思いました。

読んでいくうちに、涙が止まらなくなってしまう、辛いお話ですが、一家は幸い無事に内地へ帰ることができます。

心が重くなるお話しですが、ぜひ、若い人たちに読んでもらいたいです。

特別な話ではなくて、たくさんの母親たちが体験した事実、私達の身近にも同じ体験をした人たちがいたはずです。

この本を読むと、戦争を生き抜いた人たちには勝てないなあ、もし、私が同じ立場だったら果たして彼女のように、強く毅然とした母親でいられただろうか?と考えてしまいます。

私はこの本を図書館で知りました。中高生の夏休み図書コーナーのような所でみつけました。やはり、戦争体験の本を読むのは大切なことですね。

今の私達が、どれほど幸せなのかをあらためて感じます。

昨年読んだのですが、当時のことを思い、しばらくはキャベツの外葉も大根の皮も捨てられませんでした。

     snail         snail

たまには、こんな読書も必要ですね。

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